まほうとまほう

旧来、見えない糸を使うマジックというのは、
準備やタネの処理が大変で、とても手軽にできるものではありませんでした。

見えない糸を演技に必要な長さに切り、それを絡まないように注意しながら会場や使用する道具に取り付け、準備しなくてはいけません。
また、演技中も任意のタイミングで糸を張ったり、切れないように注意したり、回収したりと、大変です。

そこで登場したのが、この「インビジブル・スレッドリール」です。

プラスチックパイプの中に見えない糸を巻きつけ、リールの機能をもたせたのです。

リールですので、引っ張れば糸は伸びてきて、力を緩めれば自動的に巻き取られて行きます。
（その動力にゴムを採用した事で、スピーディーな巻き取りができるにも関わらず、極細の見えない糸でも切れてしまわないソフトな巻き取りが可能なのです。）

さらに糸の先端には「粘着性の固形ワックス」が取り付けてありますので、演技中、好きなタイミングで好きな場所に糸の先端を貼り付ける事ができます。

使い方はこうです。

まず「インビジブル・スレッドリール」を上着の内側など目立たない場所に留めます。
（クリップ式タイプですので簡単に着脱できます。準備は何とこれだけです。）

そして浮遊マジックを演じたい時には、ワックスをつまんで、壁やマイクスタンド、テーブル上のグラス等に貼り付けてから、その場を離れます。
すると、それに合わせてリールより見えない糸が引き出され、「ワックスを取り付けた物」と「自分の体」との間に、見えない糸がピンと張られた状態が完成です。

しかも自分の動きに合わせてリールが回転し、糸の長さが自動的に調整される為、演技可能範囲内であれば、どこに動いても常に見えない糸がピンと張られた状態を維持できるのです。 （この便利さは感動モノです。）

演技後は取り付けたワックスをつまんで外すだけで、見えない糸は自動的にリールに巻き取られます。 （演技後の処理はたったこれだけ！実に手軽です。）

説明書には用具の基本から始まり、

観客から借りた紙幣を浮かし、それを空中で操る方法

箱を開けると、中の品物が空中に浮かび上がる方法

テーブルに置いた品物が合図とともにスーッと移動する方法

試験管の中の品物を上下に動かす方法

手の間でボールを浮かせたり宙（手の間）を転がせたりする方法

シルクやステッキ等にボールを乗せるバランス芸

が解説されています。